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ハイスペック女子はなぜ風俗で働くのか?

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竹井善昭

プロデューサーGirl Power
ガールパワー・プロデューサー 株式会社ソーシャルプランニング代表取締役 マーケティング・コンサルタント メディア・プロデューサー

風俗で働くのはFランク大学よりむしろ高偏差値大学の女子学生

文科省の前事務次官・前川喜平氏が、多い時は週に3回も出会い系バーに通い、そこで知り合った女の子と食事しお小遣いを渡していた(これを援交業界ではプチ援交と呼ぶらしい)件、前川氏は「貧困女性の調査のため」と釈明したため、にわかに「貧困女性」が急上昇キーワードになってしまった。もはや、男性の間では「歌舞伎町に貧困女性の調査に行く」というのは、出会い系バーに行くことの隠語だ。(誰もが知ってるので隠語でもなんでもないのだが)

貧困女性の問題は、確かに今の日本の大きな社会問題だ。しかし、貧困は基本的に厚労省の管轄。「文部官僚は関係ないだろう!」という批判もあるようだが、そうでもない。家が貧しくて学費が払えなくて風俗で働く女子大生が増えているというが、これは文科省としても看過できない問題だからだ。その意味で、文部官僚としての激務をこなしながら、週に2回も3回も歌舞伎町に通っていた前川氏は、非常に使命感の強い人物なのかもしれない。どうせなら、格安デリヘルも行けばよかったのにと思うが、出会い系バーだけで調査を行っていたのは気になると言えば気になるが。(貧困女性の問題は出会い系バーよりも格安デリヘルの方がより深刻度が高い女性が働いていると思われるのに)

ところで、読者のみなさんは、学費が払えないから風俗で働いたりパパ活をする女子大生のことをどこまでご存じだろう? もしかして、風俗や買春をやる女子大生は、いわゆるFランク大学の後先考えないおバカな女子大生たちだと思っていたら、それは大きな誤解だ。この世界をずっと取材してきたルポ・ライターたちによれば、身体を売って学費を稼いでいるのは、むしろ高偏差値の女子学生だという。なかには東大や国公立大学医学部の学生もいるそうだ。そして、彼女たちが「売り」や「割り切り」(お金で割り切ってオヤジとつきあうこと)をやるのは、後先考えないのではなく、考えるが故のことなのだ。

高偏差値大学のハイスペック女子が風俗やパパ活に走る理由

高偏差値大学のハイスペック女子たちが風俗や割り切りに走る理由。それは奨学金問題だ。

長引くデフレの影響で、大学生の仕送り額は年々減っている。地方から東京など都市部の大学に進学した学生は、親の仕送りだけでは生活ができなかったり、学費さえ払えなかったりする。そんな学生のために奨学金制度があるが、今では私大生の半分が奨学金を借りているという。

しかし、この奨学金のほとんどは利子付きの返済が必要なお金。つまり、奨学金という名の学生ローンだ。この学生ローンに頼って大学に通う学生は、卒業時には300万円とか400万円くらいの借金を背負って社会に出る。

大企業にでも就職できていれば、それもなんとか返すことができるかもしれないが、ブラック企業にうっかり就職してしまうと、手取り給料は10数万円。ブラック企業でなくても返済は難しい。とても借金など返済できない。だから、奨学金の未払いが社会問題になるくらいに増えるのだが、この奨学金を借りるのは、どちらかというとFランク大学の学生の方が多いという。

対して高偏差値大学の学生は、そもそもが親の平均年収が高いというのもあるが、親が貧困で経済的に恵まれてない学生でも、奨学金を借りようとはしない。彼ら、彼女たちは頭がいいから、数百万円の借金を抱えることのリスクが理解できるからだ。だから、奨学金を借りなくても学費が稼げる方法を考える。・

女子にとって、手っ取り早いのは風俗やパパ活だが、その世界でも名門大学の女子大生は価値が高いから高く売れる。慶應女子や青学女子なら、なおさらだ。そのような市場価値、市場原理もハイスペック女子大生はちゃんと理解している。だから、高く売れるうちに売って、リスクを避ける。

一方、Fランク大学の女子大生は、学生時代は奨学金を借りて学校に行くので、学生時代に売りはやらない。しかし、社会人になって書言う額金の返済ができなくなって、風俗に行く。しかし、女子大生に比べれば、社会人女子の方がこの世界では価値が低い。つまり稼げる金も少ない。

風俗やパパ活の世界でも学歴差が如実に収入格差となって表れる。

さらに、卒業すれば高いキャリアが約束されている大学の女子学生は、Fランク大学の学生に比べて、なんとしてでも卒業するという意欲が格段に強い。中退してしまった時の損失が大きすぎるから、風俗に行ってでも卒業しようとする。これが東大や国公立医学部の女子大生が風俗、パパ活に励む理由だ。

これらの要因が重なって、ハイスペック女子学生たちは身体を売る。なんとも切ない話だが、これが現実だ。前川氏が出会い系バーでの「調査」によって、このような現実をどこまで理解していたかは不明だ。しかし、分かっていたら事務次官時代になんらかの施策をうつべきだったし、引責辞任させられた後も、子どもたちに因数分解を教えるボランティアなどしている暇に、この問題を解決するためのNPOでも立ち上げるべきだと思う。しかし、前川氏にそのような動きはなかったし、今でもない。

そうすると、前川氏はこの問題をキチンと理解していないのではないかとも思われる。もし理解していないとすれば、出会い系バーでの「調査」とはなんだったのか? ということにもなる。どちらにしての教育行政のトップまで努めた人間として不誠実だと思うが、とまれ、社会問題の解決にはまず社会がその問題について理解する必要がある。前川氏にはぜひ、その長年の「調査」で得られた成果を世の中に発信して、このハイスペック女子風俗嬢問題を解決に導いて欲しい。

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竹井善昭

CSRコンサルタント、マーケティング・コンサルタント、メディア・プロデューサー。一般社団法人日本女子力推進事業団(ガール・パワー)プロデューサー。

ダイヤモンド・オンラインにて「社会貢献でメシを食うNEXT」連載中。
http://diamond.jp/category/s-social_consumer
◇著書◇「社会貢献でメシを食う」「ジャパニーズ・スピリッツの開国力」(共にダイヤモンド社)。 ◇翻訳書◇「最高の自分が見つかる授業」(Dr.ジョン・ディマティーニ著、フォレスト出版刊)

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