以前、ある女性とこんなやりとりをしました。
「男なんてみんな胸にしか興味ないから」
「そんなに胸の開いた服を着ていれば“そういう人が寄ってくる”のは当たり前ですよ。僕は胸の大きさはあまり気にしませんけど……」
「あなたは男が好きなの??」
その時、僕は思いました。もしかしたら、「男は胸にしか興味がない」とはこの女性の理想なんじゃないか。なぜなら、目の前にいる僕が「違う」と言ったら「女じゃなくて男が好きな人」と捉えたから。
よくおモテになる男友達と街中でこんなやりとりをしたことがあります。
「あそこにいる二人の女の子のカップわかる?」
「うーん左の人がD、右の人はCかな」
「左は当たっているけど、右は違うな」
「なんで?」
「右の人は底上げしているってことだよ。重力があるからあの大きさであのカタチになるっておかしいから」
思わず「なるほど!」と言ってしまいましたが、彼はこうも続けました。
「素敵なおっぱいとは、誰かが考えた理想のおっぱいじゃないよ。ありのままのおっぱいだよ。理想は触れないけど、現実は触れるからね」
「……真顔で言ってるけど、アホなこと言ってるよね」
彼がなぜおモテになるのか、それは“現実”だけを見て受け入れているからなのかもしれない。彼は、男性が好きそうと思われている“女性が考える男の理想”というものに惑わされない。もし最初の、「男なんてみんな胸にしか興味ないから」と思い込んでいる女性が彼に会ったら、「本当の自分を見てくれる」と感じて惹かれるような気もします。
実は彼の話は、大学時代に付き合っていたグラフィックデザイナーの彼女が言っていた話に似ていました。当時、彼女はエッチなゲームのグラフィックを担当。職場には男性が多い。
「毎日、おっぱいのグラフィックを作ってるけど、リーダー(男)とか実物見たことないだろって思う。現実を見れば、あんなに水風船みたいなおっぱいは描かないでしょ」
「理想の世界で現実を描いても誰も買ってくれないんじゃないかな」
「だったら、世の中の男にホントのおっぱいはこれだって見せてやりたい!」
「それはやめましょう」
よくおモテになる友人とおモテにならない男性は何が違うのか。もしかしたら“理想”に惑わされているからかもしれない。世の中には“理想”がたくさん溢れている。わざわざ“現実”に目を向けなくてもいい。
ただ、そんな“理想”に惹かれたとしても、あの女性は「こいつも他の男と同じか」と自分には興味を持ってくれないような気もします。
“現実”は実際、“理想”とは世間、または自分自身の思い込み。意識的に“思い込み”から離れてみる。そんないさぎよい姿勢が、“思い込み”ではない “理想”の相手を引き寄せるかもしれません。
「男なんてみんな胸にしか興味ないから」
「胸の開いた服を着なくても、あなたは十分魅力的ですよ」
僕がおモテにならないのはこうやってホントのことを言ってしまうからでしょう。今度、よくおモテになる友人におモテになる返しの一言、振る舞いを教示してもらおうと思います。