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女性の心と身体(1)女性ホルモンによって揺れ動く…..対談:対馬ルリ子&勝 恵子

◎女性の身体を守ってくれる女性ホルモン

 対馬ルリ子先生、本日はよろしくお願いいたします。
先日、ガールパワーで対馬先生の女性ホルモン講座を開いていただきました。ありがとうございます。女性ホルモンが私たちの身体の中でじつにたくさんの働きをしていることがわかりました。女性ホルモンの働きと仕組みをきちんと理解すべきですね。

対馬 そうですね。女性ホルモンは女性の身体全体を守ってくれるものです。主な役割は、子宮や乳房に働きかけ、妊娠や出産を助けること。妊娠と出産は命がけです。でも、それだけではなくて、全身をめぐり、様々な機能を助け、女性の健康を守ってくれます。男性と比べて寿命が長いのも、女性ホルモンのおかげといえます。
対馬ルリ子医師

 女性ホルモンは、一生のうちにわずかしか分泌されないのですよね。

対馬 生涯でティースプーン1杯分くらい。そのわずかな分泌量の女性ホルモンが、コラーゲンを増やし、皮膚や粘膜、骨をしなやかに保ち、脳を活性化させ、血管の壁や、免疫系、自律神経にも関わってきます。アルツハイマー型認知症は女性に多い病気ですが、閉経前の女性はほとんど発病しません。心筋梗塞も、ほとんどいません。みな、女性ホルモンの守りの効能です。

 女性ホルモンは、私たちの身体のどこで作られているのですか?

対馬 女性ホルモンと男性ホルモンは、身体の中でコレステロールから作られます。卵巣から女性ホルモンが、精巣から男性ホルモンが分泌されます。卵巣も精巣も、人は胎児の頃から持っていますが、ホルモンは分泌されていません。幼児期をすぎて、思春期になると、脳からの指令で卵巣と精巣が働き出し、ホルモンが分泌され始めます。身体が成長し、脳が、生殖を始めてよい身体になったと判断すると指令が始まるのです。
女性ホルモンの目的は、生殖です。男性は毎日精子を作り続けますが、女性は、卵巣が月に一回排卵し、卵を使って妊娠に役立てます。
勝 恵子Girl Power専務理事

◎卵子の数は生まれた直後から減り続けていく

 卵の数は限られていて、出産年齢が限られていること、おおまかな知識はあっても、私自身20代や30代前半までは意識していませんでした。

対馬 生まれた時に卵巣のなかには約200万個の卵胞があるといわれていますが、卵は、使っても使わなくても卵巣内で自然と消滅していき、30代で5万〜6万個。40代では1万個以下に、閉経時には1000個以下にまで減少します。1000個を切ると月経がなくなり、卵巣の寿命。女性ホルモンは分泌されなくなります。女性の出産年齢が限られているのはこのためですが、数に限りがあること自体ご存じない方も多いですし、40代を超えて、妊娠したいとクリニックに駆け込んでくる女性もいらっしゃいます。身体の中で起きていることを知っておいて欲しいですね。

 身体の中で起きていることといえば、月に1回の排卵から月経まで、どんなことが起きているのでしょうか。

対馬 女性ホルモンの肝、これは理解していただきたいです。脳の視床下部下垂体が指令をだし、性ホルモンが分泌されます。視床下部下垂体系は生命の維持を司るところ。生きるために必須な指示を出すところです。
卵胞刺激ホルモンが眠っている卵胞を刺激して卵を成熟させます。この時に卵胞から分泌されるのがエストロゲンです。じゅうぶんに卵が成熟すると次に黄体形成ホルモンが排卵を促進。卵胞が破裂して卵が飛び出す、つまり排卵がおきます。
卵巣内で卵が育ち、成熟、ついには排卵しますが、卵子の命は1日です。内膜はエストロゲンの作用によって厚みを増し、排卵後はプロゲステロン作用で柔らかくなって妊娠の準備をしますが、妊娠しない場合は排卵から2週間後に子宮の内膜が剥がれおちて排出されます。それが月経です。月経のリズムの中に、エストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンが分泌されること、覚えてくださいね。

 月経時の「生理痛」は、子宮の内膜が剥がれながら落ちていくときの痛みなんですね。その痛みは個人差があって、同じ女性でも痛みの違いがあるため、男性に理解してもらいにくいのは当然かもしれませんよね。
月経のときの2種類のホルモンはそれぞれどのように作用するのでしょうか。

対馬 月経から排卵までの間、卵巣では卵を成熟させていきます。脳下垂体から卵胞刺激ホルモンがでて、卵巣からエストロゲンが分泌されて全身を巡ります。エストロゲンが脳に作用すると明るく楽しい気持ちになり、コミュニケーションをとりたくなる。周囲と調和し、助け合おうという能力も豊かになります。それが肌に作用するとキメが細かくなり、コラーゲンが増加、プリプリ肌になります。胃腸や心臓、内臓にも作用、病気を少なくして女性の体を守ってくれる作用も持っています。

次に、卵巣で卵がじゅうぶん成熟すると、排卵指示が脳からだされ、卵巣が爆発して排卵します。今度は、妊娠を補助するための、プロゲステロンが分泌されます。プロゲステロンは、受精卵の着床を助けるために、卵管の動きをよくして、卵が子宮に着床しやすいようにします。子宮内膜を柔らかくして妊娠に備える。栄養をためこんで、身体を守るモードに変わるのです。何事にも敏感になるので、肌は肌荒れを起こしやすく、脳は、些細なことでダメージを受けやすく、過食して自己嫌悪に落ちいったり、イライラしやすくなったり、涙が止まらなくなる人もいます。

胃腸の働きを低下させ、子宮の動きを弱めるようにすることで、卵が着床しやすくします。便秘になる場合もありますし、むくみやすくなるのもこのためです。
この時期は、子宮の内膜に糖分や水分を溜め込もうとするので、つい甘いものを食べ過ぎて自己嫌悪に落ち入り、またイライラなどメンタルの悪循環が起こることもあります。これがひどい状態を「月経前症候群(PMS)」といいます。

◎分泌される女性ホルモンで女性の心と体は変化する

  妊娠待ちモードのプロゲステロン分泌期間は約2週間。
  2週間たつと、子宮に溜まった内膜を剥がして落とす。これが月経。
月経から排卵までのエストロゲンモードが10日から2週間。
排卵から月経までのプゲステロンモードが2週間。

 1ヶ月の中で全く違う状態になるのですね。

対馬 2つの性格の異なるホルモンが作用し、状態が変わるのが女性です。
卵胞期はエストロゲン分泌され、心身が安定し、体調がよい時期です。自律神経が安定し、骨や筋肉の成長にも作用し、代謝があがります。排卵後、黄体期はプロゲステロン分泌され、不調がおこります。イライラし、メンタルが内向きになり、心も身体も不安定になりやすい。
月経でリセットされます。
それを毎月繰り返すのです。2つの女性ホルモンの波に乗りながら生きているのが女性で、大きく揺れ動くというのが女性の特性です。これは、男女ともに理解して欲しいことです。月経前にイライラしたり、落ち込んだりするのは女性ホルモンがそうさせているので、自分の性格のせいでも環境のせいでもありません。対して、男性にはこの揺れ動く変化がありません。
月経前症候群は現代女性に多い病気ですが、幼児虐待とも関係があるという研究もされています。

 大事な仕事の時にイライラしたり身体が重くて集中できないというような事は誰しも経験していると思いますが、女性はとかく、自分を責めがちです。でも、それは身体の中でおきている女性ホルモンの作用なんですね。

対馬 大きく動く女性ホルモンの特性を知っているだけでも、不必要に自分を責めたり、場合によっては身近な家族に八つ当たりしたりすることも減るのではないでしょうか。女性ホルモンの変化のために感情が動くことは女性にとって当たり前のことなんですよ。

 知っておくことは大切ですよね。次は男性との違い、男性ホルモンについてもお聞きしたいと思います。

女性の心と身体(2)に続く

#対馬ルリ子 #勝恵子 #女性ホルモン #女性の心と身体 #ガールパワー

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