厚労省の人口動態統計 特殊報告「結婚データ」によると、2015年の結婚(婚姻件数)は63万5096組で、これは前年から8653組減った戦後最小数でもあります。
結婚数の減少はいまや誰でもご存じのことですので、問題はここからです。
63万5096組の結婚のなかの「再婚率」の高さ。なんと、26.8%ーーー4組に1組以上が再婚です。
内訳は、夫だけが再婚は6万3588件(10%)、妻だけが再婚4万5268件(7.1%)、夫婦とも再婚6万1325件(9.7%)。
73.2%の人は男女とも初婚ですが、「初婚平均年齢」は上がる一方です。男性31.1歳、女性29.4歳(東京など都市部では平均年齢より約+1歳上)。
かたや、結婚しない人たちは増加しています。
50歳現在で結婚したことのない人(生涯未婚率に数えられる人)は、男性24.2%、女性14.9%。つまり、日本の男性は約4人に1人が50歳となるまで一度も結婚したことがなく、女性は約7人に1人が一度も結婚したことがないという意味です。
上記(再婚率の上昇+平均初婚年齢の上昇+未婚率の上昇)から導き出されるのは、当然ですが「少子化」です。再婚者は初婚同士の結婚よりも出産率が低く(年齢が中高年であることと連れ子等の理由から)、平均初婚年齢の上昇によって女性の妊娠率は下がり流産率は上がり、50歳現在一度も結婚したことがない人は子どもも持っていません(この稿では少子化を語るのが目的ではありませんが)。
では、一度も結婚しない人と何度か結婚する人の違いはどこにあるのでしょう。(念のために申し上げておきますが、「一度も結婚しない」ことと「何度も結婚する」ことどちらがいいか論じるものではありません)
過日、私がレギュラー出演しているMXテレビ情報番組『ひるキュン』のなかで、「結婚するしないは勉強するしないと同じ」と伝えました。MCの田中みな実さんが、美しいお顔と可愛らしい唇を少し尖らせて「30歳で独身の私は一人(自力)では結婚できないということですか?」といった類いの発言をなさいましたが、まったくその通りです。
ここで少し思い出してみてください。
学生時代のことです。
「早く宿題をしなさい」「勉強しなさい」と、あなたはあなたのお母様から言われたでしょうか。クラスの中には、母親から促されても勉強しない同級生もあり、促されなくとも勉強していた同級生もいたはずです。また、子どもに関心を持たず何も促さなかった母親もいたでしょう。
「早く勉強しなさい」
「今しようと思っていたのに」
このやりとりは、
「受験はどうするの」
「今考えているところ」
につながり、
「就職どうするの、早くしなさい」
「しようと思ってる」
となり、
「結婚はどうなの、早くしなさい」
「今考えているところ」
となります。
かたや、母親から促されなくとも進んで勉強し志望校に入学する人もあり、母親から促されなくとも学生時代に恋愛し、就職して結婚する人もあります。
さて。ここで、田中みな実さんの言葉を思い出してみましょう。
「30歳で独身の私は一人では結婚できないということですか」
おっしゃる通りです。
母親から促されなくとも勉強し恋愛し結婚した人ではなく、30歳(女性の平均初婚年齢を超えた年齢)まで結婚していない人は、放っておいてできる人ではないということです。
母親やまわりの人から促されたり、紹介を受けたり、ときには叱咤激励を受けなければーーーまわりにそういった人の存在があったのが過去の「お見合い」が主流だった日本の結婚システムです。
過去に戻ることはできませんが、今の時代ながらのお見合い的なもの、あるいは受験でいうところの教師のアドバイスや予備校的なものが必要となっているのだと感じます。
今から結婚したいと思っている人は、受験や就活のとき他者からのアドバイスに耳を傾けたのと同じように、結婚に対しても同じように耳を傾けてほしいと思います。