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初詣「ベビーカー自粛」論争。「差別誤認」はなぜ起きたのか?

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勝恵子
1966年生まれ。一児の母。 学習院大学卒業 。フリーアナウンサー。 テレビ朝日、日本テレビ、フジテレビ、NHK等各局の報道、情報番組の司会キャスターを務める。雑誌での対談連載などインタビューも多数。三菱商事株式会社環境CSRアドバイザー、Girl Power専務理事

初詣「ベビーカー自粛」問題で議論は二転三転。

新年早々、ネット上で論争にまでなったというのが、こちらのニュースである。

初詣ベビーカー自粛要請で大騒ぎ 「差別」批判へ寺側の意外な言い分”

このニュースを聞いたとき、相変わらず子供を育てにくい社会であり、この国の常識はいつからこうなってしまったのかといつもの暗い気持ちがわきおこってきた。電車内でのベビーカー論争、子供の声が煩いと保育園建設反対議論、等々、あまりに一方の立場での見方しかできない事例が多すぎる。かつては自分もベビーカーに乗る子供だったことを、そして事故や病気、加齢で誰でも車椅子を使う生活になる可能性があるということを想像できないのだろうか?

と、思ったら、事実は異なった。

そもそもは、この寺はベビーカーに配慮した参拝を進めてきた寺だという。混乱が起きないよう、ベビーカー専用の参拝通路をつくっていたら、そこに割り込む参拝客が増え、最悪なことに怪我の事故までおきてしまったのだという。(上記の記事より)その上での苦肉の策だったわけだ。

では、なぜ、このような騒動になってしまったのか?

この寺がだした看板、ベビーカーでの参拝自粛要請、という言葉だけがネットで瞬く間に出回ってしまったからである。著名人がツイートすることで拡散が大きくなる。

確かに、この言葉だけを見ると、それは配慮がないと声をあげたくなる。しかしそれは、結果としてそうなってしまったという、ある一面でしかない事実だ。それまでの経緯に注視することなく、ある部分をとりあげることの危険性を感じる事例である。

ネットの時代。自分の身を守る必須のスキルとは?

テレビニュースの場合、複数で取材をし映像と記事で伝えていくが、限られた時間内という制約のため、多くの事実を捨てて伝えなくてはならない。新聞や雑誌媒体でも限られた字数のために削除される事実はまた多数である。マスメディアで伝えられている事実は、ある一部でしかないのだ。受け取り手は、もっと別の事実もあるのかもしれない、という疑問を常に持つ必要がある。しかし、受け取り手の多くはそれだけだと素直に受け取ってしまう。

ではネットの場合は?

玉石混交、実に多くの情報があふれかえっている。その情報が正しいのか事実なのか曖昧に混在する中、やはり個人が判断していくしかない状況である。コピペだらけの、しかもコピペ元の情報も不確かなニュースだらけのキュレーションメディアが相次いで閉鎖されたことは記憶に新しい。

私も、発信力のあるジャーナリストのツイートやFB記事はフォローしているが、それは事実ではないのに取り上げている、とたまに発見することがある。

簡単に発信できるからこそ、より慎重に、そしてそれは事実なのか?ということを充分に見極めながら使わなくてはならない。多くの溢れかえる情報とともに生きていかなくてはならない以上、メディアリテラシーは個人の責任で鍛えるしかないのである。自己を守るために。

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