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女性はなぜ50代や60代になっても「女子」であり続けることができるのか?

巷にはさまざまな女性論が溢れている。

女性学なる学問分野もある。

しかし、「女子」というものについての明確な定義はないし、あまり議論もされてこなかったと思う。

女子とは何か?

個人的には、それはあるひとつの「女性の生き様」、つまりある価値観に基づく女性の生き方のひとつであると考えている。

「ひとつの」というのは、もちろん女性の価値観や生き方はさまざまであるからで、「女子」というものは、その多様な価値観、生き方のひとつでしかない。しかし、いまや女性の主流となる生き方であり、価値観であると思われる。

では、その「女子」の価値観、生き方とはなにか?

それは「女性であることを楽しんで生きる」という価値観だと思う。

今どきの若い女性からすれば、それはあまりに当たり前の価値観、生き方だと思うかもしれないがそうではない。1949年にフランスの作家であり哲学者でもあるシモーヌ・ド・ボーヴォワールがその代表作「第二の性」の中で、「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」と述べて以来、つまり、女性とは社会的に作られた性であると喝破して以来、女性の解放とは「女性性」からの脱却、つまり「女を捨てること」にあったと言っても過言ではない。

ボーヴォワールの主張は60年代のヒッピー・カルチャーにも大きな影響を与え、ヒッピー世代の若い女性はジーンズをはき、ロックを聴き、フリー・セックスを楽しむという、おおよそ旧来の価値観からすれば「女の子らしくない」行動をとることが、カッコいい女性だとされていた。男のように考え、男のように振る舞うことが、先進的な女性だと考えられていた時代もあったのだ。

女性が「女性出ることを楽しんで生きる」という価値観は、けっして普遍的なものではないということだ。

そのあたりのフェミニズムの変遷については、当サイトでもCSRエバンジェリストの泉貴嗣氏が詳しく述べてくれているので参照されたい。

泉氏の投稿記事一覧はこちら

年金女子の出現

ところで、「女子」というものは、かつては「若い女性」を表す言葉で、概ね小学生から高校生くらいまでの女性を表現する言葉だったと思う。それが、70年代後半の「女子大生ブーム」の頃から大学生女性も「女子」の範疇となり、80年代後半のバブル期には「女子大生みたいなお母さん」が出現し、2000年代にはいって「女子会ブーム」が起きると、40代、50代の女性たちがランチ時に女子会や女子度の話題で盛り上がるようになり、いまや60代女子や「年金女子」まで出現している。

いまや、「女子」とは、けっして若い女性を表す言葉ではなくなったわけだ。

「女性であることを楽しんで生きる」ことが「女子」の定義だとすれば、それは年齢は関係ないという理屈なのである。これが「50代女子」や「60代女子」が成立する理由である。

 

 

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竹井善昭

CSRコンサルタント、マーケティング・コンサルタント、メディア・プロデューサー。一般社団法人日本女子力推進事業団(ガール・パワー)プロデューサー。

ダイヤモンド・オンラインにて「社会貢献でメシを食うNEXT」連載中。
http://diamond.jp/category/s-social_consumer
◇著書◇「社会貢献でメシを食う」「ジャパニーズ・スピリッツの開国力」(共にダイヤモンド社)。 ◇翻訳書◇「最高の自分が見つかる授業」(Dr.ジョン・ディマティーニ著、フォレスト出版刊)

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