化粧は女性の武器である。
仕事の出来る女子は、お化粧も上手である。
上手、というのは必ずしも、綺麗に仕上がっているという意味ではない。
自分というブランドをどう見せたらより効果的か、ということを念頭に置いて、
戦略的に自分の顔を作っているという意味だ。
当然のことながら、自分の人生は自分でコントロールしたいという、主体的な女性ほど、お化粧が上手だ。
そういう意味において、女性の政治家は、意図的に少しはずして、綺麗に見えすぎないようにヘアメイクをしていると感じる。
それは、女らしすぎることで同性から無用な反感を買ったり、男性から甘く見られたりすることを避けるためだろう。
以前の社会党の党首であった土井たか子氏は、時代的に男性と同じようにしなければという気持ちが働いていたのだとは思うが、必要以上に眉毛をつり上げて描いて、強い印象作りをしていたのが印象的だった。
しかし、最近は全体的に女性の社会進出も進んできたせいか、政治家でも少し女性らしい美しさが前に出てくるようになっていると思う。
そして、真に強いものを秘めていそうな人ほど、おそらくそれを隠すために、眉毛を細目に描いて表情がわかりにくいようにしているようにも見える。
つまり、お化粧とは、ただ綺麗になるための道具にとどまらず、印象操作のための、もっとはっきり言うならば、場合によっては相手のマインドコントロールを視野に入れた、強力な武器になる可能性を秘めたものなのである。
仕事ができる女子は戦略的に化粧をする。
武器は、現状と目的の間が観えていなければ、使いこなすことは出来ない。
すなわち、お化粧が上手であるということは、戦略を立てられる才能を兼ね備えているということであり、結果的に、仕事が出来る、ということになるのである。
実際、出来る女子はそれらをいとも簡単にやってのける。
ここで念のため断っておくが、敏感肌やその他の理由により、お化粧がしたくても出来ない人がいることは承知している。
したくても出来ない人と、最初からするつもりがない人は、髪型をみれば一目瞭然である。
お化粧をしようがしまいが、それらの選択は自由であることは間違いない。
ちなみに、生物学的に見たとき、選ぶ権利を持つメスは、素っぴんだったら男性より地味で劣るに決まっている。
それでも男性は寄ってくるのだから本来的にはそれでいいのである。
着飾ってお化粧をするのは、本来は選ばれる側に立つ者がすること。
つまり、女性がお化粧をするということは、それでなくても寄ってくる男性の数をわざと増やして、多くの男性の興味を惹いて選択肢を増やしている行為と言える。
これを生きる戦略と言わずしてなんと言うだろう。
確かに、男性から見たら、余計なことかもしれない。
ライバルの出現する可能性の高くなる女性のお化粧など、自分の成功率が低くなる女性のお化粧など、できればしてほしくないと本能的に思うのも仕方のないことだ。
しかし、これこそが戦略なのだ。
女性が男性の興味を惹くためにお化粧をする理由は、より強い生命力を持った男性を惹きつけたいからである。
ライバルがいようとも屈せずアプローチをしてくれる男性を女性は待っているのだ。
お化粧をしないばかりに、なんでも言うことを聞きそうな女だなどと勘違いされてはたまらないのだ。
つまり、美しいヘアメイクは、より強い生命力を残すためのリトマス紙に成り得るわけで、故に命の最大の戦略と言える。
戦略も立てられ、自分も相手も幸せにするための演技もお化粧も上手な女子は、その才能をいかんなく発揮させてもらえる成長力のある男性を選ぶ。
自己コントロール力を身に付けた成長力のある男性は、共にその波に乗っていけるしたたかさを持つお化粧の上手な女子を選ぶ。
世の中うまく出来ている。
企業は化粧のうまい女子を採用すべき。
子育ても同じことが言える。
子育てにこそ戦略が必要であることは言うまでもない。
大自然の中で育てるにしても、公立に通わせるにしても私立に通わせるにしても、いずれにしても、それらは戦略以外の何ものでもないはずだ。
理由があって、それらを選んでいるはずなのだから。
別に、当然のことながら、誰かと戦おうと言っているのではない。
愛ゆえの戦略について言っているのであり、
平和にこそ戦略が必要だと言っているつもりである。
以上のように、TPOで使い分けることの出来るお化粧の上手な女子というのは、様々な意味において、幸福力も高いことがおわかりいただけたと思う。
女性は仕事にまったく関係のないお化粧をしてお金とエネルギーの無駄遣いをしている、などと思っている御仁がいるとしたら、それは大きな間違いなのだ。
しかし、就活生がお化粧もろくすっぽせず、相変わらず制服のようなお揃いの黒スーツを着て個性を消しているのは、選ぶ側にそういった本質的な優秀な才能を見出す能力がなく、個性を活かせるリーダーシップもないからなのだろうと察する。
お化粧が上手かどうかさえ見れば、仕事が出来るかどうかがわかるのに、もったいないことだと思う。
女性も男性も、お化粧をあなどるなかれ。