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思考は現実化しないし、引き寄せの法則は機能しない

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竹井善昭

プロデューサーGirl Power
ガールパワー・プロデューサー 株式会社ソーシャルプランニング代表取締役 マーケティング・コンサルタント メディア・プロデューサー

 

「引き寄せの法則」に関する最大の疑問

「引き寄せの法則」を信じている人は多い。若い女性にも人気だとも聞く。まあ、占いとかスピリチュアルなものが好きな女性は多いし、人気がでるのも理解はできる。しかし、残念ながら「引き寄せの法則」はなにも引き寄せないし、思考は現実化しない。今回は、引き寄せの法則がなぜ効かないかについてお伝えする。そして、「正しい引き寄せの法則」とはなにかについても、お伝えする。

最初にことわっておくが、僕は霊的なもの、スピリチュアルなことを否定するゴリゴリの科学信奉者ではない。母親は霊的能力の持ち主だったし、妻や娘にもある程度の霊的能力がある。僕自身はあまりそのような能力がないようだが、運命論的なことはわりと信じる方だ。

そもそも祖父は「生長の家」の創業メンバーで、その関係で母親も叔母も熱心な信者であり、僕も幼少期からその教えに触れてきた。生長の家にはこども向けの機関誌もあり、幼稚園の頃から機関誌を読んだり、母親からいろいろな話を聞かされてきた。

成長の家は、神道、キリスト教、仏教など世界中のあらゆる宗教のエッセンスを融合したような宗教で、「思考は現実化する」とか「引き寄せの法則」的なことも、波動理論みたいなことも設立当初から、つまり100年くらい前から言っていた。今風に言えば自己啓発的な宗教で、だから企業経営者にもファンが多い。京セラの稲森さんや松下幸之助さんも熱心な信者だったと聞く。

僕の知る限りでは、生長の家はおそらく日本でいちばん早く「引き寄せの法則」を紹介していた団体だと思う。この法則は、アメリカのキリスト教の流れを汲むニューソートの考え方だが、生長の家の創始者である谷口雅春氏は翻訳家だったので、日本の誰よりも早く、どこかでニューソートのことを知り、その考え方を自分の思想に取り入れたのではないかと思っている。

そんな生長の家の教えを、物心ついた時から叩き込まれ、さらに母親自身の霊的体験の話も聞かされて育ったので、自然と霊的なものや運命論的なものに関心を持つようになった。自己啓発の本もそれなりに読んできた。特にドクター・ディマティーニとは何度も会って話もしたし、講演も何度も聞いた。さらに、ディマティーニ自身が「自身の集大成」と言う「Values Factor」の日本語訳も担当した。(「Dr.ディマティーニの最高の自分が見つかる授業」フォレスト出版刊

しかし、その自己啓発やスピリチュアルなものの研究の中で、昔から大きな疑問があった。それは「引き寄せの法則」がなぜ効かないのか? なぜ、思考が現実化しないのか? ということだ。

熱心な自己啓発信者に成功者はいない?

自己啓発に否定的な人の典型的なdisはこれだ。

「自己啓発に熱心なひとで、ホントに成功した人はいないよね」

これはある程度は当たっている。世の中の成功者には、自己啓発的なものに熱心な人も多いし、企業経営者には信心深い人も多い。しかし、それこそ自己啓発セミナーに数百万、数千万をつぎ込んでいても成功できない人はもっと多い。

「自己啓発での最大の成功は、自己啓発セミナーの講師として成功すること」とディスる人も多いが、それもまた一つの真実でもある。

「引き寄せの法則」がその名のとおり、法則であるとすれば、それは万人に効くはずだが、実際にはそうはなっていないのはなぜか? これが長年の僕の疑問だった。その疑問が解けたのは、ある書物の中にあった、あるひとつの言葉だった。それはこのような言葉だ。

宇宙は意図に反応する

この言葉に触れた時、僕は疑問が解けた。そして、引き寄せの法則のほんとうの意味と、その使い方が分かった。

思考が現実化しない理由

世の中にはびこる「引き寄せの法則」理解とは「思考は現実化する」という考え方だ。しかし、思考は現実化しない。正確に言えば、思考を現実化させるのは思考そのものではなく「意図」である。

引き寄せの法則を信じている人たちの最大の問題は、アファメーションだ。ご存じの方も多いと思うが、これはたとえば金持ちになりたければ「自分はすでに金持ちだ」という念仏を毎日、毎日100万回唱えれば願いは叶うみたいな話だ。

それで、自己啓発の熱心信者は毎日、何十回も何百回もアファメーションを唱える。

しかし、アフェメーションは何百万回唱えても実現しない。そこには思考はあっても意図がないからだ。

宇宙でも神様でも、呼び名はなんでもいいのだが、もしこの世に人間を超越した存在があり、その存在が人間に運命や運というものを与えてくれるとすれば、それは人間の思考ではなく意図に対して与えてくれる。意図とは簡単に言えば行動のことだ。

人は心で思っているだけでは伝わらない。言葉にするとか、なにかの行動をするとか、なんらかのカタチにして意図を示さなければ伝わらない。誰かのことを好きになって、恋愛関係になりたいと思っても、デートに誘うとか、プレゼントするとか「好きだから仲良くなりたい」という意図を伝えなければ、恋愛関係にはけっして発展しない。ひとりで部屋に籠もって「彼女は僕のことが好きだ」「彼女とはすでに恋愛関係にある」とかアファメーションを唱え続けていても、キモいだけで恋愛は決して成就しない。これは、宇宙や神様に対しても同様で、意図を伝えなければ彼らにはなにも伝わらない。

なにかを成し遂げたいと思えば、成功を思考するだけでなく、他人に言葉で伝え、巻き込み、プロジェクトを立ち上げ実行する。そのような行動がなければ、なにがしたいのかの意図は伝わらない。

自己啓発や宗教にいくら熱心でも成功できない人は、念仏を唱えているだけで行動しないから成功しないのだ。

行動は思考の数百万倍のエネルギーを持つ。

簡単な話なのだ。たとえば、机の上に100円玉とか、なんでもいいのでなにかの物体を置く。そして「この物体は動いている」と念仏をどれだけ唱えたところで、その物体はけっして動かない。僕は実際に超能力者が、手も触れずにスプーンをねじ切った瞬間を見たことがあるから分かるが、著名な超能力者でさえ、思念だけで物体を動かすことはそうとうの集中力とパワーを必要とする。

しかし、手を使えば(行動すれば)目の前の100円玉を動かすことなど、子どもでも造作のないことである。これが思念と行動のエネルギーの差である。

つまり、アフェメーションをいくら唱えても思考が現実化しないのは、思念ではエネルギーが微弱すぎて足りないからだ。

念のために言えば、意図と行動は同義ではない。格闘技やスポーツをやってきた人なら分かると思うが、格闘技でも相手が技をかけてきて(行動して)から反応していては遅い。勝負に負ける。しかし、試合中でも稽古中でも、相手が次にどんな技をかけようとしているか、その意図は伝わるし、その意図を感じ取れないと勝負には勝てない。ボクシングでは、相手が次のどんなパンチを繰り出そうとしているのか、サッカーで言えば、ドリブルで突っ込んできた相手選手が、右に来るのか左にくるのか、その意図を察する。それが勝負を決める。つまり、行動の前に意図がある。右ストレートのパンチを繰り出す前には、右ストレートを打とうとする意図が存在する。

そして、宇宙はこのような意図に反応する。大きな目的のために、何かの行動をしようとする。その意図の反応するのだ。

だから、ビジネスでも婚活でもなんでもいいが、成功したければ「すでに成功した自分」をイメージするのではなく、成功に向けて行動を起こそうとすること自体が重要だ。

昔から、「運は人が運んでくる」というが、これは念仏を唱えるだけで、誰かが幸運を運んできてくれることを意味しない。「自分はこのようなことをしたい」という意図を他人に伝えることで、その意図に誰かが反応し、その人間が幸運を運んでくれるのだ。

というわけで、成功したければアファメーションを唱えている暇に、まず行動を起こすことだ。

これは、当たり前すぎるくらいに当たり前の話なのだが、その当たり前のことが、自己啓発に熱中すると見えなくなる。自己啓発や「引き寄せの法則」ブームの最大の問題はそこにあると思う。

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竹井善昭

CSRコンサルタント、マーケティング・コンサルタント、メディア・プロデューサー。一般社団法人日本女子力推進事業団(ガール・パワー)プロデューサー。

ダイヤモンド・オンラインにて「社会貢献でメシを食うNEXT」連載中。
http://diamond.jp/category/s-social_consumer
◇著書◇「社会貢献でメシを食う」「ジャパニーズ・スピリッツの開国力」(共にダイヤモンド社)。 ◇翻訳書◇「最高の自分が見つかる授業」(Dr.ジョン・ディマティーニ著、フォレスト出版刊)

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