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小池百合子人気、凋落の兆し?

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竹井善昭

プロデューサーGirl Power
ガールパワー・プロデューサー 株式会社ソーシャルプランニング代表取締役 マーケティング・コンサルタント メディア・プロデューサー

メディア受けはあいかわらずの小池百合子氏

新党立ち上げを宣言したと思ったら、民進党との合流のニュース。さらには日本維新の会との協力を検討など、矢継ぎ早にメディア受けする話題を提供しまくる小池百合子氏。そのあたりのメディア使いのうまさはさすがだと思う。テレビや新聞だけを見ていれば、あいかわらずの小池旋風が今回の選挙でも吹き荒れているかのように感じられるかもしれない。

だがしかし、マス・メディアでの空気感と国民、生活者の実感とが乖離していることはけっこう多い。

なぜ、そのような乖離が起きるかというと、大雑把に言って二つの理由がある。

まず、テレビのニュースは視聴率二桁(10%以上)を取れば成功だ。つまり、極端に言えば、国民の9割は関心を持たないが、1割の人間が感心を持つ話題を提供すれば、ニュース番組としては十分成り立つ。新聞も同様で、こちらは数百万部の商売なので、もっと少ない人数を相手にすれば商売として成り立つ。

そうすると、実は一部の人間しか大騒ぎしていない話題でも、その話題に対して強い関心を持つ人がある程度いればメディア商売として成り立つ。そして、騒ぎ立てる一部の人間の声がメディアの中で大きくなり、その他のマジョリティの空気感と乖離する場合がある。

もう一つはメディアの特性によるもので、テレビは基本的には受動的な媒体で、ニュースはさらに受動的だ。受動的というのは、とりあえずはチャンネルを合わせているけど、さほど真剣には見てないという意味だ。実際、ドラマやスポーツと比べて、ニュースはながら視聴している人は多いと思う。特に朝のニュースやワイドショーなどは、ほとんどながら視聴だろう。

新聞もテレビほどではないが、日本では受動的なメディアだと言える。この場合の受動的というのは、書かれている記事によって新聞を選んでないという意味だ。政治的なスタンスのよって朝日、読売、産経などどの新聞を選ぶかは変わるだろうが、毎朝、新聞スタンドで「どの新聞になにが書かれているか」をチェックして新聞を買う人はほとんどいない。朝日を取っている人はずっと浅し新聞を読んでいるし、読売新聞を取っている人はずっと読売を読む。それが日本人の基本で、受動的とはそういう意味だ。

主要なニュース・メディアであるテレビと新聞が受動的であるとは、つまり関心の低い問題に関しては、メディアの空気感と生活者の実態が乖離しやすくなる。たとえば、北朝鮮の核兵器問題に関しても、国民の大多数が大きな関心を持っていれば、この問題にどう向きあうべきかをめぐって大きな議論がおきるが、そうでなければ(あまり関心が無ければ)テレビで何を言おうが、新聞が何を書こうが国民の多くはスルーするだけだ。この場合、メディアと国民の間に乖離が起きる。

では、今回の衆院選における小池百合子氏に関してはどうなのだろう?

僕は、実はメディアと国民の間に乖離が起きているのではないかと思っている。

データが示す小池人気の凋落?

小池百合子氏の人気は世間が思っている以上に、実は落ちているのではないか? 実は僕はそう感じている。

そんなバカな!と思う人も多いだろう。

たとえば、JX通信社の調査によれば、今回の衆院選の投票意向調査では、小池氏の希望の党は自民党に次ぐ第2位。共産党の二倍、民進党の三倍の支持を得る圧倒的な強さを見せている。

小池知事の「希望の党」東京都内では第2党の勢い=JX通信社 衆院選第1回情勢調査

このような調査データを見れば、今回もまたまた小池旋風が吹き荒れるのではないかと思うのは当然だ。

しかし、政治も消費トレンドも同じだが、まだ明確な数字に表れていない兆候を嗅ぎ分けることも重要だ。そして、小池百合子氏に関しても、気になる兆候が現れている。それは、ウェブ・メディアでの注目度だ。

新党立ち上げ宣言から、小池氏に関するニュースはウェブ・メディアでも激増している。しかし、意外とそれらのニュースのアクセスが伸びていないのだ。

たとえば、日本最大級のビジネス系オンライン・マガジンである「ダイヤモンド・オンライン」(DOL)でも、昨日と今日、小池百合子氏に関する記事が掲載されている。が、しかし今日、掲載された記事(小池新党「希望の党」が総選挙で勝つための4つの条件)は27日19時の時点で時間ランキング9位。昨日の記事(小池百合子・希望の党代表は「細川護熙」になれるか)も、昨日ランキングで9位でしかない。

DOLと並ぶ、こちらも日本最大級のビジネス系オンラインマガジンである「東洋経済オンライン」でも、24時間ランキングでようやく12位に入っているだけだ。

小池知事が「公明党のご機嫌取り」に走る事情

ようするに、小池百合子では少なくともビジネス系オンライン・メディアではもはや数字が取れないのだ。

ウェブの記事はタイトルがすげてと言われる。記事に「いいね!」がどれだけつくか、どれだけシェアされるかはないよう勝負だが、PVに関してはほぼ完全にタイトルで決まる。

そして僕はDOLで9年も連載をしているし、小池氏が都知事になった時に何本か記事を書いているのでわかるが、昨年の小池フィーバーの頃は、記事のタイトルに「小池百合子」と入れておけば、数字が取れた。ランキング1位が取れたのだ。しかし、今では小池百合子の名前をタイトルに入れても、数字が取れなくなっている。これは厳然たる事実なのだ。

数字が取れないということは、小池百合子氏に対して世間が(少なくともビジネス系メディアの読者が)関心を失っていることを意味する。アンチが多ければ、それはそれでPVが稼げるものだが、それもないということだ。

小池百合子氏のことなので、アッと驚く秘策が未だ隠されているのかもしれないし、今回の衆院選で台風の目になることは確かだが、よほど訴求力のある何かを打ち出せなければ、期待されているほどの結果が出せない可能性もある。そんなことが気になる今の情勢ではある。

 

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竹井善昭

CSRコンサルタント、マーケティング・コンサルタント、メディア・プロデューサー。一般社団法人日本女子力推進事業団(ガール・パワー)プロデューサー。

ダイヤモンド・オンラインにて「社会貢献でメシを食うNEXT」連載中。
http://diamond.jp/category/s-social_consumer
◇著書◇「社会貢献でメシを食う」「ジャパニーズ・スピリッツの開国力」(共にダイヤモンド社)。 ◇翻訳書◇「最高の自分が見つかる授業」(Dr.ジョン・ディマティーニ著、フォレスト出版刊)

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