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【ハイスペック女子のためのビジネス講座】事例研究はやめなさい

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竹井善昭

プロデューサーGirl Power
ガールパワー・プロデューサー 株式会社ソーシャルプランニング代表取締役 マーケティング・コンサルタント メディア・プロデューサー

事例研究は意味が無い

ハイスペック女子のみなさん。事例研究してますか?

事例研究はビジネス・パーソンにとても人気のあるお勉強方法です。

僕も社会貢献からマーケティング、ブランディングまでいろいろなテーマで講演を頼まれますが、テーマがなんであれ事例を紹介して欲しいというリクエストをよく受けます。それだけ多くの人が事例を知りたいと思っているわけですね。

なので、僕も講演やセミナーでは事例を紹介しますが、正直に言ってこれが何の意味があるのだろうといつも思います。

少なくとも、新しい何か(商品とかビジネスとか)を生み出そうとしているイノベーション女子や起業女子には事例研究はあまり役に立たないと思ってます。

だって、今までに無い何かを生み出すことがイノベーションであり、起業ですからね。事例研究というのは、過去に成功した商品やサービス、ビジネスをモデル化して学ぶってことですが、新しいことに「先例」などあるはずもありません。

たとえば、ソフトバンクもユニクロも大成功した事例ですが、これらを研究して真似したってソフトバンクやユニクロには勝てないわけです。

しかし、ビジネス・スクールでは事例研究(ケース・スタディ)をガンガンやります。それは効果があるからやるんじゃないのかと思うかもしれません。しかし、そうではない。少なくともイノベーション女子や起業女子にはあまり意味がありません。

ビジネス・スクールでケース・スタディをやるわけ

ビジネス・スクールで事例研究をやるのは、事例研究が誰にとって役立つのかを考えると理解できます。端的に言って、事例研究は大企業のためのものです。大企業の経営幹部や経営企画、マーケティングなどの部署のスタッフには役に立ちます。

たとえば、ある業界の2位企業が大ヒット商品を出したとする。その場合、トップ企業はどうするかというと、その新商品を徹底的に研究して、対抗商品を出してきます。これがトップ企業の正しい戦略です。この場合、2位企業のヒット商品を事例研究することには大いに意味があります。

これが、2位企業、3位企業でも、トップ3が団子状態になっているような業界であれば、下位の企業がトップ企業の事例研究をするのも意味があるでしょう。

しかし、たとえばトップ企業がその市場の70%位を占めていて、2位以下が10%程度とか、ガリバーが存在する業種では、下位の企業がトップ企業のマネをすることは何の意味もありません。

あるいは、かつてのIBMとアップル、現在のトヨタやGMとテスラの関係のように、既に巨大な企業が存在する業界に、まったく新しいイノベーション企業が出てきた時に、巨大企業がベンチャー企業の事例研究をやる。これも意味があります。

つまり、事例研究は強者のスキルなのです。

そして、ビジネス・スクールは基本的に(従来はというべきか)企業の幹部候補生や、大企業相手に商売している大手コンサルのコンサルタントを輩出するためのものなので、事例研究は意味があるというわけです。

なので、これからスタートアップしようと考える起業女子はもちろん、大企業の中にいてもまったく新しい何かを生み出そうとしているイノベーション女子にとっては、事例研究はあまり意味が無いわけです。しかし、まったく無意味というわけでもありません。

起業女子やイノベーション女子が事例から学ぶべきこと

起業女子やイノベーション女子も、事例を学ぶことで役に立つこともあります。

それは、偉大な経営者がなぜにそのビジネスを成功させることができたのか。その背景を理解することで、自分がなにをやるべきか、成すべきかを考えるヒントを得ることです。

ここで簡単に事例研究をしてみましょう(笑)

スティーブ・ジョブズという人は、大雑把に言ってMac、iPod、iPhoneという革新的な製品を生み出しました。パソコンから始まってスマホで終わるわけですが、彼のやってきたことは生涯、変わることはありませんでした。

ジョブズの価値観。それは「自由」です。

ジョブズはアメリカのヒッピー世代で、彼自身も死ぬまでヒッピーでした。そして、ヒッピーの最大の価値観は「自由」です。

ジョブズが生み出したものはすべて、この「自由」という価値観を満たすためのものでした。

今の人は想像でもできないでしょうが、70年代はIBMが世界の巨人で「21世紀はIBMが世界を支配する」と本気で言われていました。そのような状況の中で、IBMの支配を阻止し、世界に自由をもたらすために開発された武器。それがMacです。

Macが生み出されたことで起きたことはメディアの解放です。今ではノート・パソコンでウェブも作れる、動画も音楽も編集できますが、当時は動画編集も音楽の編集も高価なスタジオを使わなければできませんでした。雑誌を発行することも高いコストがかかりました。それをパソコンでできるようにしたのがMacです。テレビ局や映画会社やレコード会社、出版社でなければできなかった動画編集、音楽編集、雑誌の編集が、Macさえあれば誰でもできるようになったえわけです。

ジョブズはヒッピーだったので音楽が大好きでした。それで、どこでも自由に自分が好きな音楽を楽しめるようにiPodを作りました。当時、すでにウォークマンというものがありましたが、これは持ち歩ける曲数が限られてしまう。もっとたくさんの好きな曲を自由に持ち歩きたい。そんな思いがiPodを生み出しました。

iPhoneは、フォーンと名前が付いていますが、その正体は電話もできるコンピュータです。コンピューティングとインターネットがもたらす恩恵を、ノート・パソコン以上に手軽に自由に享受できるデバイス。それがiPhoneです。

このように、ジョブズの仕事の背景には常に「自由」という価値観が横たわっています。

ちなみにジョブズの最後の仕事はiTunes Matchです。

これは自分の音楽ライブラリ(CDの曲など)をすべてクラウドにあげて、iPodやiPhoneでどこでも聞けるというサービスです。音楽好きならCDを数千枚、普通に持っています。しかし、これをすべてiPhoneやiPodに入れて持ち歩くことはできませんでした。しかし、クラウドに上げてしまえば、数千枚のCDをネットさえつながっていれば世界のどこでも聞くことができます。

ジョブズは大好きな音楽に、本当の意味で「自由」をもたらし、そして逝ってしまったわけです。

僕らがジョブズの事例から学ぶべき事は、人間の価値観が何を生み出すのか? ということです。あるいは、この世界に新しい何かを生み出すものは、ビジネス・モデルでもマーケティングでもなく、一人の人間の価値観であるということです。

そして、何かを生み出したい起業女子やイノベーション女子のみなさんは、自分の価値観をもう一度見つめ直し、その価値観を満たすことが社会にとって何を意味するのか、見つめ直すことです。

そのためのヒントとしてなら、ジョブズの事例を研究することは大きな意味があると思います。

ぜひ自分の価値観を満たし、ジョブズを超える偉大なビジネスを生み出してください。

 

 

 

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竹井善昭

CSRコンサルタント、マーケティング・コンサルタント、メディア・プロデューサー。一般社団法人日本女子力推進事業団(ガール・パワー)プロデューサー。

ダイヤモンド・オンラインにて「社会貢献でメシを食うNEXT」連載中。
http://diamond.jp/category/s-social_consumer
◇著書◇「社会貢献でメシを食う」「ジャパニーズ・スピリッツの開国力」(共にダイヤモンド社)。 ◇翻訳書◇「最高の自分が見つかる授業」(Dr.ジョン・ディマティーニ著、フォレスト出版刊)

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