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“女子力”という名の”呪い”を解き放て!

女子力って何?

2009年の流行語にノミネートされた”女子力”という言葉。”女子力”が高い女性とは、どのような女性か?確かに、「女子力高い!」なんて言われると、嬉しくなるのは否めない。なんとなく、男性からモテそうな気がするワードで、ポジティブなほめ言葉のようであるが、実際に、辞書やネット検索で引いてみてもあまり明確な定義がない。取り方によっても、使い方によっても様々な意味や気持ちを込めているのであろうが、共通しているのは、「女性らしい何かしらの能力」なのであろう。

しかしながら、この”女子力”という言葉には、ポジティブな面も持つ一方で”呪い”も宿っていると、山口は思っている。そして、不思議なのは、対語として、”男子力”という言葉がないことである。

”女子”という”呪い”のシャワー

この”呪い”は、流行語として”女子力”がノミネートされてからに限らず、実はずっと昔からかけられている。幼少期、女の子という理由で、ピンクや赤い洋服を着せられ、お人形を持たされる。木登りは危ないからと止められ、オママゴトを推奨される。大学への進学は勧められるものの、女子は理系はやめたほうがいいと言われる。大学選びも、女子だから、隣の県までの範囲で選ぶことを条件とされる。就職では、結婚や出産についての考えを面接で聞かれる

余談であるが、山口は、ジブリ映画の「天空の城ラピュタ」に出てくるヒロインの少女、シータが、どうも気に食わない。女子の”呪い”の典型パターンであるからだ。何か困ると、しおらしく「パズー!!」と叫び、パズーが助けてくれる。女子は男子の力なしには、何かを成し遂げることができないという”呪い”を、世代を超えてセンセーショナルに人々にかけているように思えてならない。

そして、現在、社会における自らの中にある”呪い”に気づく。我々女性自らが、「結婚しても働く」、「出産しても働く」という表現をしている。かけ続けられた”呪い”の効果である。この「・・・しても」という逆説的な言葉は、男性では使わないだろう。この表現をしている限り、女性活躍推進におけるハードルはまだまだ高いと山口は思っている。女性自らの中にある”呪い”、つまりアンコンシャスバイアスから解き放たれない限り、どんなに仕組みが整っても、ルールや制度ができても、男性やパートナーの理解が高まっても、本当の意味で同じ土俵に立っていることにはならない。

”オンナ”が女子にかける”呪い”

 では、さてはて、どうやってこの”呪い”から解放されようか。これが難しい。山口も目下、思案中である。しかし、一つだけ確実に今からできることは、今まで自らかけてきた”呪い”の行為を、まずはやめてみるという努力である。そして、次世代にはできるだけ”呪い”をかけないような接し方をすべきであろうと。 「女のくせに」と、言われることを怖がらず、チャンスがあるのであれば挑みたい。小さな女の子を見て、「女の子なんだから、、、」と言わないようにする。

しかし厄介なのは、実は、「女のくせに」と言われ続けた諸先輩方にあたる女性たちの”怨念”程、怖いものはない。彼女たちは、同じ女性でありながら、ものすごい”呪い”を我々にかけてくる。必要以上に擁護したり、気遣ったり、逆に大抜擢のチャンスを与えたり。

社会での、女性活躍推進の取り組みにおいて、国や行政は、ルール作る。組織や会社は、そのルールを運用するための仕組みを作る。そして、男性社会とも言われるだけあって男性の理解や受け入れはとても大切である。しかし、山口が一番強調したいのは、もう一つのピースである、我々女性自らの意識の変化である。つまり、女性自身がまず”呪い”から解放され、新たな”呪い”をかけぬように意識を変えること。その具体的方法論については、これからガールパワーでも、みなさんと意見を交換しながら検討して提案をしていきたい。

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山口真紀

山口真紀

MAKI Yamaguchi
1978年 山口県生まれ B型
2000年に九州大学工学部を卒業し、外資製薬メーカーに営業職(MR)として入社、その後市場調査、ポートフォリオマネージャーを経験し、現在、同社にて医療用医薬品担当ブランドマネージャーを務める。
2009年より明治大学専門職大学院グローバルビジネス研究科に夜間留学し、2011年3月に卒業(MBA修士)
ミセスワールド2016日本代表として活動中

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